2012.05.02
今回は 依頼をうけて 制作する 別注品 の出来るまでを ご紹介します。
まずは ・・・
図案の制作。
今回のご依頼は
『 写真の訪問着の牡丹の柄で袋帯をつくる 』というものですので・・・
見本の訪問着を確認しながら帯用の柄の大きさ、形、配置 に描いていきます。
訪問着と同じ雰囲気を出すため ローケツ染めで染める事にします。
図案を 帯白生地に写し取り、
まずは、下染から
柄の中が 明るくなるように
蛍ボカシで、アクセントをつけます。
シルエット調の柄を表現するため
牡丹柄を 蝋 で形をとります。
蝋をおきながら、
色挿しをして花びら1枚1枚の
立体感を出していきます。
今回の作業は 裏からの仕事になるので、
こまめに、表を確認しながら進めます。
表まで蝋がしっかり浸透してなければ、
仕上がりが綺麗にはあがりません。
蝋を置き終えると、上染めをします。
ローケツは色を重ねて染めていくので、
加工を進めるたびに深い色合いになります。
前の柄は こんな感じに染め上がりました。
ローケツ染めの加工工程をご紹介しましたが、
染める際に使う染料も、
見本を見ながら職人の感覚、経験、勘で色合わせをして作ります。
きもの生地と帯地では 同じ染料でも色目が変わる事や、
蒸し、水元などをする事も計算しながら、
いろんな色を調合し 色合わせをして出したい色目に近づけていきます。
染めの工程を終えると、
最後に より華やかさをだす為に
金箔加工をします。
こうして 1本の 帯が 完成します。